Tips『雲雀との遭遇』
「クソ! 何で今日に限って見回りなんだよ……」
真夜中に一人、村を歩いていく。
「まったく、三佐も人が悪い。何もこんな日に限って俺一人で…」
さらに先へと進む。
「Rとその周辺の状況確認をして……、さっさと帰るか。」
古手神社の境内に着いた時、気配を感じた。
「………誰だ?」
「…………」
人影は何も言わずこちらに歩いてくる。
腰の銃に手を伸ばす。
はっきり見えるようになった時、……危険を感じたら撃つ。
その人影は、少年のものだった。
(なんだガキか。Rの友人だろう。)
「夜中にこんなところにいると危ないよ。家はどこだい?」
「…………」
ボソボソと何かを呟いているが、聞こえない。
「もうちょっと大きな声で言ってくれないかな?」
「『いつつ』……『むっつ』……
『ななつ』……『やっつ』……『ここのつ』……」
眼を閉じて数を数えていた。
……それにしても変わった格好だ。
上から下まで黒尽くめ。
最近の流行なのだろうか?
すると、少年が眼を開いた。
「…………『とお』………」
カクン、と少年の首が前に傾き、膝をつく。
「だ、大丈夫かい!?」
気絶するかの様だった。少年を前から抱える。
「大丈夫!? 立てるかい!?」
(何でこんな面倒な事を………)
「……ん…」
少年が軽く声を出した。
無事な様だ。
(やれやれ………災難な日だな。)
少年が眼を開く。
「!!!?」
その眼はさっき開いた眼ではなかった。
真っ赤な瞳。
そして黒目は猫の様に縦長。
(まるで鬼の眼だな………)
「一人で立てるね?」
「…ええ。」
少年が立ち上がる。
「あぁ、成る程ねぇ……
あんたさぁ……『山狗』だろ?」
「なッ!?」
『山狗』の事をどうしてこんなガキが!?
Rに聞いたとでも言うのか!
「……『終末作戦』、うまくいってるのかい?」
コイツは知りすぎている。
消さねばならない。
――――パァン
だがしかし、
このたった一歩分あるかないかの距離で、
アイツは銃撃をかわした。
「なッ……!?」
「かははッ。ここだよおっさん。」
上を見ると、ガキは木の枝に座っていた。
「かははははッ。なに唖然としてんだよ。事実を受け入れなよ、おっさん。いや……雲雀18。」
「!? 貴様…何者だッ!!!!」
「かははははははははッ!!
アンタからのその質問は『聞きあきた』んだがな。特別だ。教えてやるよ。」
ガキが消えた。
それと同時に、後頭部に激痛がはしる。
「か………ぁ……」
薄れゆく意識の中、言葉を聞いた。
「僕の名は、『伐椙鏡雨(きるすぎきょうう)』さ。」
――――――――忘れちまいな。
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Tips『通信記録』
『ザ……ザ…ザ――――――
こちら鷹。聞こえる?』
『えぇ。こちら小此木。聞こえてますぜ。』
『Rの状況は?』
『いま雲雀18が確認に行ってます。もうすぐ帰ってくるかと。それより三佐。』
『何かしら?』
『最近分校に転校生が来たそうですぜ。
その少年、一度『診療所』に行かせた方が良いのでは?』
『………そうね…構わないわ。
その子…雛見沢症候群にかかっているでしょうし。
Rをその少年に※されたら、元も子もないものね。
くすくすくす…
……今度つれてくる様に言っておいて。』
『了解いたしやした。では………』
ザ……ザ………ザ――――――
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Tips『古手梨花の決意』
「梨花、どうするつもりなのですか?」
「…そうね。彼は『自分から手を出さない』と誓った。
それにあの『終わらせる』という言葉。
もしかすると大きな味方かも知れないわ。」
「あぅあぅ。……彼を『信用』するのですか?」
「とりあえずは……ね。
雛見沢症候群にかかっていないとも言えないし……
当分は『監視』しておくわ。」
「梨花………」
「彼を部活に誘えば、彼が一人で活動する時間は減るでしょう?
それをうまく利用させてもらおうかしら。
魅音の部活がこんなところで役に立つとはね……
それでもし、『信頼』に値する人なら………」
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